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余白の愛/小川洋子/中公文庫

現実か?幻想か?度★★★★☆

速記者Yの字は、どんな字かみてみたい気がする。
甘いもの食べたくなりますよ(*^^)


余白の愛
中公文庫 小川 洋子(著)


クリームをたっぷり浮かべたココア、
キャラメル、
バニラアイスクリーム、
チョコチップクッキー、
胡桃ケーキ…

この本によく出てくる甘いもの。
こう書かれるとホイップクリームちょー大好きなわたしは、よだれがとまらない。

全体的に、淡く優しく甘い文章が散りばめられている。
ロマンティックで幻想的。
感想まで「小川洋子が紡ぎだす繊細で柔らかい言葉たちが…」とか…書きそうになる。
でもなんだか、栗原はるみが生活スタイルを取り上げられてカリスマ主婦って言われたときの違和感に似ている。
女の人は、ナチュラル風なものや、表現をする人に憧れるのか。

この本も、「女性らしくふんわり優しい感じにしてみたけど、どう?」って言われてるみたい。なんか恥ずかしくて抵抗感がある((+_+))
こんなこと言ってても栗原はるみだって料理を真似したいし、小川洋子は好きな作家なんだけど。
『妊娠カレンダー』も、『偶然の祝福』もよかった。
もちろん『博士の愛した数式』はとっても美しい話で、涙した良い本だった。未読の方はもう是非是非!!(*^_^*)
ただ、小川洋子が帯文を書いている『ナラタージュ』がしっくりこなかったように、この本も主人公のうじうじした感じがなじめなかった。



1番気になったのが、主人公の年齢が若すぎること。
この主人公は24歳なのだが、とてもそんな若々しさはないし、てっきり結構歳を重ねた女性だと思ってた。
突発性難聴の症状に悩まされるも、穏やかで落ち着いている印象を受ける。
「好きな人ができた」と夫が家を出てから彼女の耳に異変が起こる。
このとても悲しい出来事も彼女の病の原因とも言える。
そして、速記者Yに出会って、これからこのふたりはどうなるのか?と期待しながら読んでいたのに、彼女の年齢を知った途端、急に作り話という気持ちになってしまってほんと残念だった。
こんな24歳っているんだろうか。瑞々しさがまったくなくて入り込めなかった。

彼女の元夫の姉の息子、ヒロが、すごく現実的。
彼が登場するとホッと安心できる。ヒロの現実と彼女の幻想の切り替えはすがすがしかった。

彼女がみた夢は、なんだか不思議で印象深い。
13歳の少年がヴァイオリンを弾き終えたあと、顎と楽器の間から何かをとりはずし差し出す。それは自分の耳だった。
「顎の裏側のところに、二枚重ねて貼りつけておく。しっくりくる」と言う。
時期がくるまで預かっていてくれるのだ。
この夢はなんだか、おもしろい。それでいて、耳を患っている人の不安と、誰かの助けを得ている安心感が混ざり合っているみたい。想像力がわく。
この夢をまるで現実かのように感じている主人公にドキドキさせられた。

彼女は耳を患って、記憶と現実の迷路をさまようことになる。
いつしかヴァイオリンの音色が彼女の耳鳴りとなっていく。
謎を秘めたこのヴァイオリンが彼女を混乱させる記憶。

患った耳と上手に付き合っていく彼女の努力には、この病の苦労と大変さが伝わってきて、聴覚の大切さを実感した。

Yとの愛はどうなるのか?
彼女は迷路から抜け出せるのか?
キーワードは、「取り返しのつかない空白」と「記憶の断片」。

ラストは安心できたので、わたしの気持ちもすこし晴れました(^-^)

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2006年06月14日 小川洋子 トラックバック(0) コメント(0)

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