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僕たちの戦争/荻原浩/双葉社

根拠なしポジティブ度★★★★★

まだ読んでない本あるんだけど…
すばらしい!!荻原作品ベスト1
こんなに「読み終わるのがもったいない」と思う作品にはなかなか出会えない!


僕たちの戦争 双葉社
荻原 浩(著)


読み終わって、ぼーっとして涙がとまらなかった。
誰かと誰かが入れ違っちゃうなんて話しは基本的に大好きではあるけれど、それにしてもすごくすごく良かった。
はじめは健太の気持ちになって気が滅入り、ミナミの純粋な気持ちに触れて震えてしまった。後半は吾一の切ない想いがぐいぐい伝わってとめどなく涙があふれた。
荻原ファンで本書未読の方、是非是非是非読んでください。
荻原さんの気合が感じられます!


尾島健太は、バイトもくびになり、恋人ミナミとも喧嘩していて、くさくさした気分から逃避するようにサーフィンに出かける。
そこで大波にのまれ、気づいたときには、1944年9月12日終戦間際の石庭吾一になっていた。
一方、飛行術練習生吾一は、飛行訓練中に操縦を誤って海に墜落してしまう。2001年9月12日世界貿易センタービルに旅客機が突っ込んだ翌日、設備の行き届いた病院で健太として目を覚ます。
このふたりが入れ替わってしまうというタイムスリップのお話し。

ふたりは顔も背格好もそっくりの19歳。
時代は違うけれども実は性格も似たところがある。

健太と吾一が、お互いの時代にタイムスリップしてしまったのだと理解するまでが可笑しかった。
健太は、キヨ婆さんと孫の文子さんの家で助けられるのだが、まさかタイムスリップしたとは夢にも思わないから、奇妙な会話が繰りひろげられる。
キヨ「学生さんか?」
健太「いえ、あの、フリーターっていうやつで…」
キヨ「古板?」
健太「ええ、まぁ」
キヨ「それは板前さんのことか?」
健太「いや、店では料理をつくる係じゃなくて、運ぶだけなんですけど。ウェイターっていうか」
キヨ「上板?」
健太「はい」
キヨ「よくはわからんが、大変な仕事なのか…」
健太「いえ別に」
キヨ「その若さで…髪が真っ白でねぇか。苦労しとるんだべ」
キヨ婆さんは、健太の銀髪のことを言ってるんだけど(^_-)-☆

吾一は米軍の捕虜になったと勘違いし、CTだICUだとやたら横文字を話す太った医者や、柔肌をむき出しにしたスカートの短い看護婦もみんな日系米人だと思い、脱走しようと試みるが失敗。
吾一はショックからか(この状況では好都合なんだけど)ほとんど口がきけなくなってしまった。周囲には記憶喪失だと思われ気遣われる。
携帯電話やテレビやリモコン、エレベーター、自動ドア。今では当たり前のようにわたしたちが使っているものに吾一は激しく戸惑う。
能天気な両親だけど、吾一(健太)を心配する気持ちはじゅうぶん吾一に伝わり、心配かけないように吾一は健太のふりをしようとする。
そして何より、(健太の)恋人ミナミ。今時の女の子なんだけど、とってもいい子。
吾一にとって、唯一1944年に戻りたくないかも…と心を悩ます要因となる。
これがもう、すっごく悲しくて切なくて…(T_T)

健太と吾一は次第に自分がタイムスリップして、自分と似た吾一と健太という人間にすりかわってしまったことを知る。
そこからは、ふたりとも自分の時代に戻るため、死に物狂いでその時代を受け入れようとするのだが…
なぜ自分がこんな目に?帰りたい!という思いを強くする。

吾一は、若者が頭を染め、訳のわからない言葉で会話し、物があふれた豊かで平和な時代を受け入れられずにいた。
これが自分たちが命を捨てて守ろうとしている国の五十年後の姿なのか?
と愕然とし落胆する。

健太は、霞ヶ浦航空隊で精神注入棒(バッター)にくやしい思いをしながらも、ミナミに会いたい、死んでたまるか、という一心で乗り切っていく。
好きなものを好きなだけ食べ、好きなことをして生きてきた健太が、特攻隊という過酷な職務をまっとうできる訳がない。
そこは小説だから仕方ない。でも、健太の周りの仲間たちが次々と死んでいき、根拠なしポジティブの健太ですら、仲間たちとの別れや理不尽な戦争をどうにかしようと懸命に努力する。
このあたりは未読の方に詳細は言えないんだけど、健太の戦争は、誰かを守るために、すごい勇気と大きな力が湧いてくる。それこそ1番納得いかなかった特攻隊への意識も変わっていく。
ここは何度思い出しても涙が出る。
健太!ブルーハーツが聞こえてくるよ!

わたしは思っていたラストと全然違ったので、ほんとにぼーっとしてしまった。
こんなにラストを思い描いて読んだ本もないし、こうなってほしい、という強い願望を抱いて読んだことはなかったかもしれない。
それでもじゅうぶん余韻にひたれたけど。

終戦後、ふたりは元の時代に戻れるのか!?
泣いちゃうと思うから、静かなところでひとりで読んでください。
そして健太と吾一のラストを見届けてください!

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2006年06月06日 荻原浩 トラックバック(4) コメント(6)

コメント

やっぱり健太だったらいいですよね~
冷静に考えると、愛するミナミが自分のいない間に…って複雑な気もしますが(^^:)

それにしても健太は、徐々に男っぷりあげていく感じが読者にはたまらないですよね☆

2006年09月19日 ちゃぴこ URL 編集

私的には健太がいいですね~。

わたしも原作みましたよ。

あれはもう泣かない人おかしいですよ

2006年09月18日 さき URL 編集

コメントありがとうございます!
わたしもとにかく泣きじゃくってしまいました(^^:)
ラストは微妙でしたね。作者が想像させてくれたんだろうと思ってるんですが。どっちだと良いですかね…。

昨日のこの原作のドラマをさきほど見ました。
これまた原作に近かったので興奮して涙した納得作品でした。もし見てなかったら、再放送などで見てみてください☆

2006年09月18日 ちゃぴこ URL 編集

とにかくなきました!

でも気になるのが最後いれちがったのかな?ってことです

海から上がってきたのは健太なのか吾一なのか

そこんとこ微妙ですね(・ω・)

2006年09月17日 さき URL 編集

uririnさん
こんにちは
なんかいろんなこと考えられるいい本ですよね。
ほんとにたくさんの人に読んでほしいなと思いました。

わたしも遊びにいきます!よろしくお願いします(*^^)

2006年06月08日 oishiidokusho URL 編集

oishiidokushoさん、こんばんわ(^^)
私も読後、しばらくぼーっと余韻に浸ってしまいました。
すごく人に薦めたくなる本ですね。
気持ちわかります。
では、では、また遊びに来させていただきますね。

2006年06月08日 uririn URL 編集

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(書評)僕たちの戦争

著者:荻原浩 2001年9月12日、バイトを辞め、恋人のミナミとも喧嘩をしている

2006年06月20日 たこの感想文

『僕たちの戦争』荻原浩

僕たちの戦争荻原 浩 2004年 双葉社★★★★★五十年後の日本は、多すぎる物質と欲と音と光と色の世界だった。誰もが自分の姿を見ろ、自分の声を聞けとわめき散らしている。謙虚も羞恥も謙譲も規範も安息もない。これが、自分たちが命を捨てて守ろうとしている国の五

2006年06月07日 ほんだらけ

『僕たちの戦争』 荻原浩 (双葉社)

僕たちの戦争荻原浩著出版社 双葉社発売日 2004.08価格  ¥ 1,995(¥ 1,900)ISBN  4575235016根拠なしポジティブのフリーターと、バリバリの特攻隊員が、時空を超えて入れ替わり…!? コミックノベルの第一人者が放つ、愛と青春のタイムスリップ・ウォー。200

2006年06月06日 活字中毒日記!

◎◎「僕たちの戦争」 荻原浩 双葉社 1995円 2004/8

 今年最大の収穫本である。前作『メリーゴーランド』が今ひとつの面白さだったので、ただ単に新作だからといった理由で図書館に予約を入れた本書を、他に読む本が多かったので、読まずに返そうか、なんて思っていたくらい内容に特に期待せずに読み始めた評者だったのである

2006年06月06日 「本のことども」by聖月

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