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家族芝居/佐川光晴/文藝春秋

いくつになっても女は強いなぁ度★★★☆☆

婆さんパワー炸裂!
でもやっぱりいい男には弱いっ(^^*)


家族芝居  文藝春秋
佐川 光晴 (著)


7人の婆さんが、新宿区上落合にある八方園で共同生活している。
老人グループホームと銘打たれているが、いわゆる介護施設ではない。
老人グループホームというのは、正式には痴呆対応型共同生活介護のことであるのに、痴呆性高齢者と診断されて、介護保険対象になっているのは82歳の登志子ただひとり。
他の面々は、光子・75歳、和代・75歳、薫子・76歳、幸枝・76歳、千代子・80歳、最高齢は米子・85歳。
嫁との折り合いが悪かったり、アパートから立ち退きをせまられて行き場がなかったりと、それぞれの理由で八方園での気ままな生活を楽しんでいる。


八方園はもとは、政子さんという婆さんの旦那さんが、自宅を大学生相手の下宿にしていた。部屋が古くなり次第に学生が入らなくなってやめてしまった。
旦那さんが亡くなった頃から、よく遊びにきていた近所のひとり暮らしの婆さんたちが集まり、いつの間にか八方園は婆さんたちの住処になった。
この元気な婆さんたちの八方園を切り盛りするのは、アングラ劇団で一時名を馳せた、いい男、義男。
政子さんは亡くなるとき遺言で、婆さんたちがなついている善男に、今後の世話を任せたというのだ。実際こんなことあるかどうかは疑問だけど、義男の性格がよく描かれていて、この男なら!と納得できた。

義男の一声でにぎやかで手に負えない婆さんたちが、素直に言うことを聞く。
これがかわいい(^_-)-☆
義男は36歳バツイチ。曲がったことが大嫌いで、身体も大きい。
言葉も荒々しく態度も粗雑だが、人気役者だっただけあって何をするにも迫力がある。
何より、婆さんたちのことを誰よりも思い遣っている。この義男と婆さんたちの触れ合いが、微笑ましく楽しいので、あっという間に読み終えられた。

他には、義男のいとこであるアキラが、東京の医大を目指すために札幌から上京し八方園を手伝いながら居候させてもらっている。
義男の演技に魅せられて何かと八方園を手伝う有里。
八方園の前に住んでいる医者の節子婆さん。

この3人と、言い合いしたり、助け合ったりしながら、介護や死という問題を、義男は少々荒っぽい自分のやり方で解決していく。警察のお世話になったりすることもやっちゃう\(^^;)...

ただ、単行本化にあたって加筆した部分がラストになるんだけど、アキラがすっと語り手だったのが、いきなり有里になったりして、ちょっと、さみしかった。
どっちか言えば、義男の恋の行方を伝えようとしてくれるのだが、それよりは、婆さんたちの楽しい生活がどうなるのかの方が気になっていたし、アキラという、老人と暮したことがない男の子からの目線で語られた方が面白かった。
アキラは義男のこともよく知っているし、婆さんたちとの生活を、戸惑いながらも受け入れていくところが読者にとっては新鮮だと思ったから。

でも全体的には、すごく読みやすくて、ストーリーも飽きさせないし面白かった。
婆さんたちと義男の奇妙な師弟関係が微笑ましい(*^_^*)


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2006年05月15日 佐川光晴 トラックバック(0) コメント(0)

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