スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

--年--月--日 スポンサー広告 トラックバック(-) コメント(-)

飛ぶ夢をしばらく見ない/山田太一/新潮文庫

「わたしたち」は残ると思いたい度★★★★★

「飛ぶ夢」見たいですか?
わたしはこわいので遠慮しますが…
切なくて照れくさくっていっぱい涙出ちゃいますよー(*^^*)

tobuyumewo.jpg

飛ぶ夢をしばらく見ない   新潮文庫
山田 太一(著)

「山田太一の小説読む?」って貸してもらった(*^^)vありがとー!
小説読んだことないし、ドラマも映画もちょこっとだしお芝居は観たことない。楽しみで気合はいった!
読み始めてちょうど、おもしろい設定にぐいぐい引き込まれているところへ、「NHK教育で、『流星に捧げる』やるよ!」って教えてもらって観ましたぁ(^_-)-☆
おもしろかった。風間杜夫やっぱりいい。
お芝居の気持ちいい大げさな感じと、大きく動き回る役者の熱演も伝わってきた。
ラストの老いとの戦いはドタバタしながらも、本人だけでなく周囲の人間にも考えさせるっていう展開で、物悲しいのに希望の光が見える。クスクス笑って、ほろりとさせられるいいお芝居だった。

『飛ぶ夢をしばらく見ない』は、山田太一の小説としては最初の方の作品みたいなんだけど、今読み終わって感じることは、お芝居っぽいなぁと。
舞台観たばっかの先入観もあるのだろうけど、具体的に言えば、拳銃が出てきたところ。
若い睦子が拳銃を取り出し、「これで何かしたい!」と言う。
常軌を逸してしまっている相手に、もうひとりが付き合ってあげる会話というのは一見コミカルで、お芝居ならばここでちょっとした笑いが出そう。その拳銃をめぐって収拾つかなくなったところで暗転、という具合かなぁ(^o^)

いきなり色々書いちゃったので、少しあらすじを。
右足骨折で入院中の田浦は、病室の衝立越しに出逢った女、睦子と奇妙な一夜を過ごす。それは、女の絶望を男が悟ったのか、はたまた男の孤独を女が察したのか、とても不思議でエロティックな一夜だった。しばらくして2人は再会した。しかし睦子の身体には、時間に逆行してどんどん若くなっていくという変化が起こっていた。

読んでるうちに、ちょっと変な感じがあった。48歳の田浦が睦子の処女を奪ってしまったり、この辺は気持ち悪くなったm(__)mましてや睦子は身体以外は67歳(!)のおばあちゃんなのだから。このなんというか、現実逃避というか、男の欲望の無意識な感じが気味悪くなった。
でもいやらしさを感じさせない2人の激しい愛の日々はなんだろう。わたしが女だからであり、この本全体が女の欲望に優しいな…と感じたからかも知れない。

睦子が田浦にひどい仕打ちをした時、愛が超越しちゃって自分のつらい部分を見せたくなかったからだと分かると、なんかもう田浦に頼りっきりだなぁと切なくて涙がでた(>_<)
田浦なんて、仕事も家庭もうまくいかない全然冴えない中年男なんだけど、睦子を感じられる時は、出来もしないフランス語が話せたり、詩を暗誦したりする能力が芽生える。
田浦が睦子に読んだ富岡多恵子の詩はよかった。

わたし
あなた
「わたしたち」

「わたしたち」は
わたしとあなたに還元出来ない
だから
わたし
あなた
「わたしたち」

わたし
あなた
お互いに口から手をつっこむ
咽喉にさわる
気管にさわる
胃にさわる
肺臓にさわる
心臓にさわる
横隔膜に
肝臓 膵臓 肋骨 腸
筋肉 動脈 静脈 毛細血管
様々なものにさわる
抽象名詞の様々なものにさわる
どうしてもさわれないもの
それは あなた
それは わたし


田浦が睦子に、
別れてしまっても、「わたしたち」は残ると思いたい
と言ったとき、こんなに現実離れした2人の関係なのに、この愛の終わりがはっきり見えて悲しかった。
孤独を分かり合える相手がお互いしかいないというのは、最高の幸せと不幸の隣り合わせだなぁと感じた。
当たり前だけど、睦子みたいな体験は今後することはない。でも、もしも自分がどんどん若くなっていったら何歳まで愛してる人に会いにいけるだろう…そりゃぁぴちぴちの頃に戻れるならうれしいけど、こんな切ないラストを知っていたら会いにいけないかもしれないなぁ…(T_T)
ファンタジックでエロティックでロマンティックな本をお探しの方、楽しめる作品です☆


スポンサーサイト

2006年04月25日 山田太一 トラックバック(0) コメント(0)

コメントの投稿







管理者にだけ公開する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。