スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

--年--月--日 スポンサー広告 トラックバック(-) コメント(-)

シュガーな俺/平山瑞穂/世界文化社

シュガーフレンド度★★★★★

わたしはフレンドじゃないんですが。。。
シュガーな俺←ネット連載だったんだ。私は画面では読み込めないから無理なんだけど、ここで読めるみたい。

シュガーな俺
シュガーな俺
平山瑞穂(著) 世界文化社

書店くじ(意外と当選商品いいんだけど楽しみにしてる人は少ないような…わたしもだけど)で4等の100円(ま、こんなもんだ)当ったから、ひさびさに単行本を買うぞ!と本屋さんへ。
あれにしようこれにしようと検討しながら到着したが、1週間前からのダイエットで甘いものを(いつもよりは)断っているわたしにとって、魅力的な表紙を見つけてしまった。
これはよだれもんのベリーベリータルトだな…と出版社の策略にまんまとはまり、糖尿病に関しては常日頃大変な病気だと思っていたからいろいろ勉強にもなるかもしれない、と読んでみることにした。

主人公片瀬喬一33歳は、変だ変だと思っていた。
異常な喉の渇き。
頻尿・多尿。
原因不明の激ヤセ。
全身の倦怠感。
『家庭医学大事典』で調べたかぎり、糖尿病の症状に酷似していた。
でも、まだ若いし、ヤセてるし、自分は違うんだと言い聞かせていたのに。
あっさり、糖尿病と診断され、それも重症で、このまま放置しておくと、確実に死にます、と。そして喬一は入院することになるのだが。。。

前の会社の先輩が、居酒屋でこれから飲むぞってビールを注文するときに、「ちょっとごめんね」と、おなかをさらっと出してさらっと注射していた。あまりに素早くあっという間の出来事だったから口が開いてたんだと思う。糖尿病なんだ、と話してくれた。今になってわかるけど、1型糖尿病なんだろうな。もう慣れたもんなんだ、と素敵に笑った先輩は30代前半。
その日もいつも通り、一緒にいっぱい飲んで食べた。
とんでもなかったのかも、って思ったけど、この本を読み進むうちにすこしだけ納得するとこもあった。糖尿病については食事制限の厳しさくらいしか知らずにいたけど、症状や型でずいぶん違うし、食事の時間や心構えでその人なりの大変な苦労で工夫した生活をして、社会人としての付き合いも楽しんでいるんだろうな、と。

作者の体験談をもとに小説仕立てにしてあるから、小説としても実用書としても読み応えがある。主人公と一緒に、数値が上下する度に一喜一憂した。知っておいて損のない身近な病気だから、シュガーフレンドじゃなくても読んでみるといいと思う。



喬一の飲み納めに付き合う会社の同僚、東野亜梨沙は変な話し方で得体の知れない感じだけど、ものすごいお酒好きで気の合う飲み仲間。ラストにその不思議ちゃんっぷりが爆発する。

喬一の妻、奈津がすごく普通のキャリアウーマンって感じでいい。
子供がいない共稼ぎの夫婦と愛猫みけ松の3人暮し。
忘れがたい誕生日の妻の気遣いには喬一と一緒に泣いたし、喬一が泣きべそをかいてしまった夫婦喧嘩では、あまりに日常的なわずらわしさがきっかけだったし、闘病を続ける人とその周囲の苦労が身近に感じられてつらさが伝わってきた。

病状や食事療法の過程を細かく描いていて、説明調じゃないから小説のように感じられる。
病院の壁の貼り紙に気付かず、申し出れば洋食にも代えられたのにずっと和食でうんざりした失敗や、同室の奇妙な人間模様、ごはん屋さんで隣の席のサラリーマンが、サラダにマヨネーズ山盛りを食べていて、無性に腹立たしくなるところなんて、「あいつらが健康体で、どうして僕が糖尿病なのか。」という無念がよーく伝わってきた。
あとは、喬一が自ら研究を重ねて作ったエクセルの表は、実際に食事療法をしている方にとって役立つものなのかもしれない。

今年亡くなったうちのわんちゃんは、クッシング病にかかってしまい、糖尿病を併発した。
ある日から、急に多食多飲多尿になった。本人は最初そんなにつらそうではなかった印象だったけど、気になって獣医さんに行くと、クッシング病と診断され、すごく高い薬を処方されてごはんにまぜるように言われた。治療を続けても一向によくならないし、おなかは空くしのどは渇くしという感じですごくつらそうになってきた。
どうしていいかわからずとにかく他の獣医さんに診てもらって4軒目で糖尿病だといわれた。典型的な症状だけど見分けが難しいのだそう。
それも早く血糖値を安定させないといけないからすぐ入院と言われた。こんなに離れるのは11年目にして初めてで、心配で心配で。結局すぐに会いにいけるように、入院は一番近い獣医さんにした。実は本人が若い頃、その獣医さんの近くに散歩に行くだけで、ムンって渾身の力で拒否したくらい、嫌がってた病院。なのに、年とったからかなぁ、すたすた自分から入っていくようになったから安心して入院させてもらった。会いにいくと朦朧とした顔で力なく見つめてくるから、退院までほんとにつらかった。それからはインスリンの打ち方を教わり、低血糖になったときに舐めさせてあげるブドウ糖水をもらって帰った。
インスリンを打ってから6時間くらい低血糖の心配があるから様子をみなくてはいけない。注射してからはずっとそばにいるようにした。一度低血糖になって、ブドウ糖水を舐めさせてもふるえてるし、目が白っぽくなってぐったりしていた。このときは泣きながら獣医さんとこに急いだ。先生のところについたら落着いたみたいで、ブドウ糖が効くのに時間がかかったみたいだった。インスリンを打ち始めてからは、本当のところはわかってあげれなかったけど、少し穏やかで具合いいのかなって日も多くなっていた。

注射を打つのは本当につらかったし、お互い慣れるまで相当苦労した。毎日2回インスリン注射をして3ヶ月くらいかな。彼にはなんのことかさっぱりわからないからすごく嫌だったと思うしかわいそうだった。それでもこれが終わるとごはんくれるんだと思ったようで(観念しただけかもしれないけど)、次第に注射の時間に逃げ回らなくなり糖尿病用のカリカリをむしゃむしゃ食べてくれた。
最後は、食事制限ばかり気にしていたらかわいそうだという獣医さんのアドバイスもあり、大好きなチーズを少しあげた。その時のうれしそうな顔は忘れられない。好きなものを訳もわからずおあずけされていたなんて、本当にごめんね。

糖尿病と聞くと、わたしは身近にはいないから、うちのわんちゃんを思い出す。
ただ、この本を読んで少し理解したことは、食事に制限が大変な上に、体調もその時々で違うし周囲にはこれほど気を遣ってるとは伝わりずらいのに死の危険が伴う、ということ。こんなにも油断ができない病気というのはほんとにストレスだろうなと感じた。

喬一は、妻と共に糖尿病と付き合っていくことができるのか。
「怪我の功名」の出来事が、喬一の身に降りかかる☆
ラストまで喬一を心配し応援しつつ読んで、そして何より、自分の身体を気遣おうと思える本になった。


スポンサーサイト

2006年12月14日 平山瑞穂 トラックバック(0) コメント(0)

コメントの投稿







管理者にだけ公開する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。