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卒業/重松清/新潮文庫

泣くもんか泣くもんかと思っても…度★★★★★

キーワードは、「ゆるす/ゆるされる」。
「文庫版のためのあとがき」で、重松さんがそれぞれの短編を解説している。これを読んで、この4つの短編の出来上がった理由がわかった気がした。

卒業
卒業
重松清(著) 新潮文庫

毎回毎回、踏ん張って読んでても、涙がでてしまう重松さん。

今回もやっぱり、短編4つで各2回はやられた。
「まゆみのマーチ」「あおげば尊し」「卒業」「追伸」。
どれもわたしの生活にはない話で、感情移入するという感じではないのだけど、主人公の気持ちが盛り上がってくるシーンになると自然と涙腺がゆるんで体が熱くなるという感じ。思い入れもそれほどじゃない話なのに、だ。
あいかわらずこれってすごいことだなぁと思った。

この前NHKの『解体新SHOW』を観た。ラサール石井と劇団ひとりがでていて、
<「人体」にまつわる神秘を解明>していた。
最後に、「涙」はストレスを発散させることが解明されたんだけど、どうやら週一号泣が、ストレス解消になっていいらしい。(ほんとか?)
わたしは、どっちか言えば泣くのは得意で、まして今の時期は『Dr.コトー診療所2006』で週一号泣してるし。その上読書でやられてしまっては、ストレス解消しすぎだなぁ。



大泣きなのは事実なんだけど、登場人物のやってることや考えてることで、納得できない!ということなどがちらほらあった。
それは、具体的には言えないけど、相手を思いやれない勝手な言動の人や、もっとはっきり思いを伝えたらいいのにとはがゆい思いをさせる人が登場したせいかも知れない。まして、それがつらい境遇だったりするから、責めることなんてできないというなんとなく消化不良な感じもあった。けれど、4編とも仕舞いには元気がでてやっぱり泣かせどころがばっちり用意されてるからまいっちゃうなぁ。

ラストの「追伸」は、まさしくそんな感じだった。
なんだかもう、絶対こうなるだろうとラストが想像できるような、そして、こうなったら泣いてしまうに決まってると思わせるようなお話だった。
それなのにすぐに引き込まれて、わかっていた展開なのに涙があふれた。
こんなストーリーよく思い浮ぶなぁ。。。設定はありきたりなのにどきどきさせられる。
主人公は小さな頃お母さんを亡くす。そのお母さんが病床で息子へのまっすぐな気持ちをノートに記し他界する。そのノートは、少年じゃなくても母というぬくもりのありがたさをいやというほど感じる。若くして幼い子供をおいて死んでしまう無念が迫ってくる。
少年が大きくなり、その母の想いを知らされた頃、新しいお母さんがやってくる。
この新しいお母さんとのすれ違いや、当たり前のことがうまくできない家族のもどかしさが、本当によく描かれている。
がさつであたたかみのない新しいお母さんを、少年は自分が父親になり小説家になった今もお母ちゃんとは呼べない。
その上、出版社から依頼されたエッセイで、天国のお母さんとの想像上の思い出を書き綴っていく。
新しいお母さんの不器用さがわかってくればくるほど、ふたりの長~い悲劇が理解できる。

ふたりの意地の張り合いがどのように解決していくか。
火が少しずつ消えていくという穏やかなラスト。
なんだか余韻にひたって、静かに本を閉じる、という文章でしか聞いたことがないような行為をしてしまった。

他の3つも、泣かせるにきまってる話だけど前向きな卒業が待っていて元気になれる短編。


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2006年12月11日 重松清 トラックバック(1) コメント(6)

コメント

す~さんこんにちは♪
母親と息子の話、重松さんほんとうまいですよね。
わかりきった結末なのに涙があふれちゃいますよね(;_;)
わたしもいつもやられちゃいます!

2007年01月09日 ちゃぴこ URL 編集

ほんと分かりきった結末なんだけど、
でも、泣けてきちゃうんだなぁ~。
「まゆみのマーチ」「追伸」という
母親と息子を題材にした作品は
自分が主人公の年に近いからか、
妙なリアリティを感じながら読みました。
ほんと重松さんは上手い。

2007年01月07日 す~さん URL 編集

そうだね、どっかで会ったよね~

「よもやま」しにまた遊びにいくよー♪

2006年12月15日 ちゃぴこ URL 編集

う~ん・・・何年ぶりだ??
卒業以来ではないハズ。
前どっかで会ったよーな気がするなぁ。。。
とにもかくにも、飲みいこー!!

リンクは、プリーズ大歓迎!
まあ「よもやま話」ばっかりだけど、
覗いてやってくんなまし。

2006年12月15日 おぎ URL 編集

うわー♪なんと!おぎchanかいな!?
ひっさしぶり。ツリーベアあたりに聞いたのかな?わー何年ぶりだろ……あ!飲もう!
読書傾向似てるのうれしいね。
わたしもお邪魔するよーーー。リンクしていい?

2006年12月13日 ちゃぴこ URL 編集

え~、ちゃびこさん。お久しぶりです。
大学時代に一緒だった「おぎ」です。
憶えてるかい?
ある方から、ここのURLを聞きまして。
ちょこっと、やって来た次第であります。

重松清は、オレも毎回泣かされます。
「流星ワゴン」と「疾走」は、
孫の代まで残してやりたい大切な作品。
ちなみにこの「卒業」は、今、自宅の棚に・・・
読まれる順番を待っている状態なのです。

オレもちょこちょこブログやってて。
たま~に、「本の話」もしてるから、
よかったら覗いてみてくださいな。
しかし、読む本の趣味が微妙に似てるんだよな(笑)

また遊びにくるぜぃ!

2006年12月12日 おぎ URL 編集

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卒業   ~重松 清~

何も学校を卒業するだけが『卒業』なのではない。4編からなる短編集。それぞれが問題を抱え、そしてそこから抜け出そうとあがいている。その姿を重松さんは温かく見守っている、そんな感じがします。特に好

2007年01月07日 My Favorite Books

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