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メリーゴーランド/荻原浩/新潮文庫

ボトムアップでゴーゴー度★★★★☆

駒谷行くべ!駒谷行くべ!駒谷行くべ!
千年先までそうしてろv(^0^)v

メリーゴーランド
メリーゴーランド
荻原浩(著) 新潮文庫

『オロロ畑でつかまえて』と『母恋旅烏』をまぜたような、愉快でちょっとしんみりさせる作品。またまた好きな作品になった。

この前、『メリーゴーランド』と『さよならバースディ』の単行本どっちか迷って、とりあえず『さよならバースディ』からにしよう!って買ったら、その次の日に『メリーゴーランド』の文庫が発売されてた。貧乏だから勘が働いてよかったなぁ(*^^)
それにしても荻原先生にめろめろとか言っといて、まだ読んでない本がある。
新作『四度目の氷河期』『押入れのちよ』『ママの狙撃銃』。
あと3冊で追いつく!たまに浮気しつつ、早めに制覇するぞー。


主役は、遠野啓一36歳。妻路子と長男哲平と長女楓の4人家族。
「そこそこいい人生だと思う。大きな満足がないかわりに、大きな不満もない」とのこと。
東京では過労死続出の、そこそこ大手の家電メーカーに勤めていたが、父親が亡くなり、母親一人きりになったのを機に駒谷市にUターンし市役所勤めをしていた。とにかくそこそこの自分だったらしい。

そして本日より、市が出資してる第三セクターに出向が決定。まだ路子に言えないでいる。
異動先は、「アテネ村再建対策室」もとい「アテネ村リニューアル推進室」。
ゆるーい仕事が一変、超赤字のテーマパークを再建しろという無理難題が命じられる。
室長はお茶をすすることが仕事でお昼と帰りの時間だけを気にしている丹波。市役所野球部キャッチャーで四番バッターの林田は頼りになるかと思いきや、全然使えない。幽霊というあだなの存在感の薄い紅一点の徳永、話もしないのでコミュニケーションがまったくとれない。茶髪でちゃらちゃらしてる合コン大好きな柳井、遊びたくてしかたないからやっぱり使えない。こんなメンバーで、うまくいく訳ない。
誰が啓一の味方なのか?誰が敵なのか?それは読んでからのお楽しみ。

やる気のない推進室の面々の意識がいろいろ変わってきて、アテネ村が再建大成功!って感じかなぁって思ってたけど、想像と違う方向から啓一に救いの手がさしのべられてきた。それでもやっぱり…大きな大きな壁にぶち当たる。。。
泣けて笑えるラストは、成功なのか失敗なのかもあやふやなのに、やたらすがすがしい気持ちになる。こんな不思議な気分を味わえるなんて、さすが荻原先生!!!



啓一は家族をそれなりに愛してて、それなりに仕事もこなして、奥さんの仕事にも理解があって、子供とも休みの日は遊んで、いいお父さんだ。
学生時代お芝居をしていて、いまでもたまに芝居がかったセリフをいうのがかわいい。「劇団ふたこぶらくだ」に所属していたらしいけど、「電動コケシは夢を見ない」ってどんな芝居だ?(^^;)
そしてなんとふたこぶらくだは今でも存在する。座長は来宮(らいみや)。この存在は今も昔も絶対だった。「来宮天動説」という言葉があったほど(^ー^)啓一は、やっかいだが他に頼める人もいないから、来宮に仕事の依頼することになる。もうてんやわんや!面白かったなぁ。
「セリフっていうのは、語らない部分を想像させるためにあるのさ。」
よっ!座長☆

イベントプランナー沢村が、どんどんふたこぶらくだに感化されていくのもおもしろかった。
この沢村が、お役所仕事の天下りおじいちゃんたちに、アテネ村のGWイベントプランをぶつけるのだけど、あっさりはじかれてふてくされてたり未熟な若さが見え隠れする。そして啓一はそんな沢村を見て思う。
「世の中の多くの男たちと一緒だ。自分のプライドの置き場所に困っているのだ。」
そうだよなぁ、なんかわかる。わたしは女だけど…たまに困ってるしな。

役所体質を熟知している啓一は、無理だ無理だと逃げ腰だった。でもそのうちに、路子にも言われちゃうんだけど、最近足りなかった“ガツン”がふつふつと湧いてくる。
とにかく会長やら何人もいる副会長やらの古い体質は、どうあがいても変えられない。ほめちぎってばっかりの彼らに苦笑の連続。啓一にとって、このおじいちゃん軍団が最大の難関。
ひとりの発奮がどこまで通じるかはちょっと疑問だった。民間にいたって、どうしようもできないこともある。ましてやお役所の古臭さに新しい風を吹き込むなんて不可能だなぁと思ったりしながら読んでた。
でもそんな読者のちょっと意地悪な思いも、うまいこと打ち砕いてくれる。ただ丸くおさめない、ってところ、ほんとすごいなぁ。
権力者の醜さ、そして夫婦の危機。どれも、思いがけない方向に話しが進んでいく。あまり詳しく言えないけど、現状屈服せざるをえない圧力が啓一に突きつけられる。
権力を振りかざす人間とそれを取り巻く人間の横暴さに、情けなくて腹が立った。
息子哲平の学校の宿題『お父さんの仕事』という作文は、どうなるのか!?これもまた、今の教育の場では当然の常識が浮き彫りにされる。

帯に、
「駒谷市は架空の街ですが、あなたの街でもあり、この国でもあると思います。荻原浩」
とある。まさにその通り。きっといろんな人が、自分の保身やうっ憤を思い、ちっぽけな存在にちょっと悔しさを味わう。
啓一と、一緒に笑って一緒に落ち込んで一緒に怒ろう!

そして、タイトル通りメリーゴーランドがネックになってくる。どういう形で登場するのか。これがまたいいなぁー。風景が思い浮かんであったかい気持ちになった♪


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2006年12月04日 荻原浩 トラックバック(0) コメント(0)

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