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人のセックスを笑うな/山崎ナオコーラ/河出文庫

もちろん笑えません度★★★★★

20歳年下の男の子とお付き合いできますか?
わたしは、無理だ…。想像もつかない。


人のセックスを笑うな
山崎ナオコーラ (著) 河出文庫


19歳の磯貝くんと、39歳のユリちゃんは、美術の専門学校の生徒と教師。
ユリちゃんは磯貝くんに、
「私、君のこと好きなんだよ。知ってた?」
という。
そしてユリちゃんに絵のモデルを頼まれ、いつしか自然と恋人のような関係になっていく。


途中でいろいろ反省した。
「ユリはニベアを塗らない。
ヒジもカカトも年齢を隠さない。指の爪の生え際は、手も足もササクレだらけ。」
他にもいろいろユリに対して磯貝くんは思うことがある。そして、
「女を捨てているのかと言えば、そうではなく、ヒジやカカトを触られるのは嫌がった。
要するに面倒でなにもつけていないだけで、実際は気にしているのだった。」
とか、
「ぽっちゃりとしたお腹。
あの、へその下の盛り上がった、丸い部分に名前はないのだろうか。」
「オレはそこを何度も、撫でたい。」
と。
なんだか、19歳のくせにいろんな女性と付き合ってきてすべてを知り尽くした男のような意見だけど。
もちろん愛がなきゃこういう愛おしい発言は出ないけど、それは置いておいて、こういうツボを知っていてくれるというだけでも、あー楽だろうなぁ…と考えてしまう自堕落さ加減に、反省しきりだった。

併録の短編『虫歯と優しさ』は、ラストの「ありがたい科白」に、なんかほんのちょっと涙が出そうになった。

どっちの話も恋心が熱っしすぎてやばいときに、冷ましてくれるいい物語。



なんとなくだけど、同性としてユリちゃんをあまり好きになれなかった。
でも楽しく読み終わったのだけれど。たぶん、磯貝くんの語り口が、若さゆえの情熱と、たまに自分の立場を冷めた目で見る感じが、まぶしくて正直で好印象だったからかもしれない。

ユリちゃんは結婚しているのだけど、旦那との喧嘩は絶えず、「お互い何を考えているかわからないが、気は合う。無関心になって開き直っているというのではなく、ひどく打ち解け合っている部分があって、そのせいで、余計にうまくいかない」らしい。
ふむふむ。そんなもんですかね…。それで他の人に気を取られちゃうのかなぁ…。

お互いの立場をわきまえているからなのか、「なんとなく」の感じが伝わってきて、ふたりの関係もあっさり始まり、激しさみたいなのを感じない気がした。
それでも中盤は、磯貝くんの一生懸命さがどんどん蓄積されていくようになって、思春期の男の子の揺れ動きが見えて安心した。成り行きとかちょっと寄り道という感じの恋愛でも、びっくりするような情熱を感じる時期があると思うから、後半は磯貝くんの気持ちの変化とか、ユリちゃんの熱い想いも聞けて、なかなかよかった。

ユリちゃんは「自分が楽しければ、相手も楽しいと信じること。」という。そうなのかなぁ…わたしには信じきれない言葉だけど。
ユリちゃんはちょっとだらしないしやる気もないし、きっとそんなにモテる人じゃない。でも、旦那さんや磯貝くんのような理解してくれる人が周りにいて、現実では奇跡的出来事だと思うし、いろんな自分勝手な発言も自由にできてうらやましい限りだなぁ、と卑屈になりがちだった(--)
でもなんだか、磯貝くんの静かな必死さが、女たちに救いの手を差し伸べてくれてるような錯覚におちいる。

狙ってるタイトルだと思ってたけど、「もし神様がベッドを覗くことがあって~」と磯貝くんが言ったとき、彼の気持ちを考えてみたら、意外といいタイトルだなぁと思えた。

年下と付き合っている人や優しい言葉を聴きたい人は、ほろっとさせられる言葉がちらほらでてくる愛おしい本になると思う。


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2006年10月17日 山崎ナオコーラ トラックバック(0) コメント(0)

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