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ウェルカム・ホーム!/鷺沢萠/新潮文庫

おかえりっ度★★★★☆

安心できるところがあるのはいいものだなぁ
盛り上がりはゆるやかだけど、主人公の気持ちがよく伝わってくる。
しんみり感動の2編。


ウェルカム・ホーム!
鷺沢萠 (著) 
新潮文庫


鷺沢さんの本は、確か3冊目なのに、何を読んだかどーしても思い出せない…。面白くなかったわけではないとは思うのだけど…。
で、いろいろ立ち読みした結果、なんだかよさそうだったからこれ(遺作2個前かな)にしてみた。そしたら、とても良かった。当たりだった。

涙がじんわり。自分の居場所を見つけられるあったかいお話だった。
30を越えて読んでよかった。きっと若い頃だとこの不安定から脱却する感動を分からなかったんじゃないかなぁ。



自分とは立場の違う人の2つの話なのに、すんなり入り込めた。

1つ目は、渡辺毅のウェルカム・ホーム。
毅の大学時代の友人ヒロは、超多忙の大手通信会社の法人営業部課長、38歳。その息子は小学校6年生のノリ。そこに居候することになった毅は、タケパパが変化して今ではノリにタケッパと呼ばれている。
仕事も恋もテキトーに生きてきた毅が、ひょんなことからノリをここまで立派に育て、家事をこなし、2人の身の回りの世話をしている。
そんな男のシュフっぷりが、毅は相当引っかかっている。「オトコの沽券」を意識し出しうじうじうじうじ…。ある日ランドセルの中から見つけたノリの作文で、毅の「オトコの沽券」問題が激化する。
その女々しい感じがたまらなく愛おしく思えちゃうから不思議。
わたしがちょっと泣いちゃったのはヒロが熱を出して、大の男が大の男の体を拭いてあげるとき(毅も心配してるけど、ホモではない)。
なんだかしんみりほのぼのして、あーこういう男の友情ってなんかいいなぁ、女にはないなぁ、と。
このシーンは、お互いの男の気持ちがすごく伝わってきてとてもよかった。
友情とか家族愛とかいっぱいひっくるめられてる感じ。ラストのノリの作文が、これまたいい☆

2つ目は、児島律子のウェルカム・ホーム。
これは、自分の居場所がなくてこれから自分がどうなるんだろうとさみしさとかつらさを味わっている女子は、共感できるところがあるかもしれない。
ある日律子の職場に、学生さんみたいな若い男が、律子の娘聖奈と「結婚したい」と現われる。
聖奈は2番目の夫の連れ子で、その夫とも離婚していて、聖奈とはもう会っていない。
そんな娘さんと結婚したいと言われてもピンとこない律子だが。。。
律子が「形のある何か」を得たとき、女もやっぱりいいなぁと実感させられた。

毅と律子の目線で語られて物語は進むけれど、いつしか2人の周りの人間の反応や感じていることが読者にも伝わってくるから安心して読める。なんだか涙腺ゆるみまくりだったなぁ。

「フツー」なんて関係ない、今の自分でがんばっていけばきっと何か見えてくるものがあるんだ!と元気がでた2編。
とは言っても、現実に戻れば、「あ、これじゃまずい…」と落ち込んだりはしますが…。


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2006年10月16日 鷺沢萠 トラックバック(0) コメント(0)

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